5月5日早朝。
加賀平野で見かけた光景に目が釘付けになった。
加賀平野(石川県川北町) 2022.05.05 05:31AM Sony α7S2 FE2.8 16-35 GM (35㎜ ,f/2.8,1/60sec,ISO100)
畑の脇道に急ぎ車を停め、カメラを持ち出したのだが
その時、この曲が頭をよぎっていた。
Steve Winwood John Barleycorn Must Die
スティーブ・ウィンウッドがトラフィック時代にリリースした
アルバムのタイトル曲でその美しい旋律がこの光景にかぶさったのだ。
西から運を試すために三人の男たちがやって来た。
かれらは不退転の誓いを立てていた。
それは、ジョン・バレイコーンの死。
男たちは畑を耕し、種を撒き、ジョンの頭に土をかぶせた。
彼らの誓い通りジョン・バレイコーンは死んだのだ。
ジョンは長い間放っておかれ、やがて天は雨を降らせた。
すると、小さなジョンが頭を出した。
男たちは驚き、喜んだが、
夏至になって、ジョンが青ざめるまで立たせたままにしたのだった。
やがて、ジョンに長いひげが生え、ジョンは一人前の大人になった。
今度は鋭い鎌を持った男たちがジョンを膝から切りとってしまう。
その後、ジョンは丸められ、畑を引きずり回され、
遂には碾き臼にかけられ粉々にされてしまう...
さて、残酷な目にあわされたジョン・バレイコーンの運命やいかに?!
ご安心を!
ジョン・バレイコーンとは麦のこと。
この歌の最後には、ジョン・バレイコーンは強い男の証明で
ジョンがいなければ人々は狩りさえすることができない、と締めくくっている。
この曲は音楽ジャンルでいうところのトラディショナルで、
それを、スティーブ・ウィンウッドがアレンジしたものだ。
トラディショナルとはイギリス土着の音楽で、いわば民謡のようなものと理解している。
麦の収穫の時に歌い継がれたものだったのかもしれない。
それにしても、だ。
曲の冒頭、枯れた麦の穂が映し出される。
思わず、世界の穀倉地帯ウクライナの惨状を連想したのだが、
事態は深刻化するばかり。一刻も早い解決を望む。