「9」のつく日は空倶楽部の日。
夜明け前の余呉湖。
余呉湖(滋賀県長浜市)2023.11.26 6:03am Sony α7S2 FE2.8 16-35 GM
前日の夜、思い立って夜明け前の余呉湖に向かうことにした。
翌朝の予報は快晴。外気が冷えて湖面に朝霧が立ち込めるはずだと思ったからだ。
しばらくネイチャー写真に向き合っていなかったことも心を逸らせていた。
午前3時に金沢を出て、余呉についたのが5時30分。
案の定、暗闇の中でもわかるくらい朝霧が漂っている。
しかも、空には満天の星。絶好の撮影日和だ。
幸ににして釣り客の姿も疎らで画角に入り込むことも無さそう。
しばらくは手持ちで辺りにカメラを向け、イメージを整えた後で、
三脚をかかえて朝霧の濃いほうへと湖畔の道を進み、
明るくなり始めた方角にカメラを据えた。
その時である。カチ、カチ、カチと連続した鈍い金属音とともに
湖上に灯りの点が走った。
漁場に渡された桟橋に灯りが点いたのだ。
思わず腕時計に目をやったところ時刻は6時。
漁場の営業が始まる時間だ。
人気を感じない朝霧の風景を撮ろうと思っていたので
一瞬にしてその目論見は消し飛んでしまった。
余呉には随分と通っていたから、桟橋に灯りが点くことを知らないわけではなかったのだが
この時間帯の撮影は久しぶり、このことをすっかり忘れていたのだ。
この他にもうっかりしていたことがいくつもあった。
たとえばネイチャーに欠かせないフィルター類を忘れたこと。
そのせいで星空や昇る瞬間の朝日など絶好の撮影機会を断念した。
さらに足元の防寒も充分でなく、長時間の撮影に耐えられなかった。
往復300キロ近い遠征にもかかわらず軽率だったと猛省し、
備忘として残すことにしたのである。