「9」のつく日は空倶楽部の日。
前夜からの雨がようやくあがり、青空が広がった朝。
金沢市富樫のバラ園では、優雅な香りとともに色とりどりのバラが見ごろを迎えていた。
五月最後の日曜日、「バラとともに爽やかな空を撮れたら」と思っていたが
あいにく前日朝からのぐずついた天気は夜になっても回復せず
それどころか、夜半には、かえって雨脚が強くなるばかり
ずいぶんとやきもきしたが、早朝にはその雨も上がり
初夏を思わせる青い空が広がっていた。
ところで...
五月といえば、バラとともに思いおこす歌がある。
五月のバラ 作曲:川口 真 作詞:なかにし礼
五月 この僕が帰るまばゆい五月
紅いバラは 思い出のバラは
君の庭に咲くだろうか
水を はなびらにあげて 涙の水を
恋のバラに 悲しみのバラに
君の白いほほよせて
忘れないで 忘れないで
時は流れ過ぎても
むせび泣いて むせび泣いて
別れる君と僕のために
洋楽を思わせる曲調から、
尾崎紀世彦がオリジナルとばかり思っていたが、
津川晃という歌手のために書かれたものらしい。
そのオリジナルを、youtubeで探してみたが、残念ながら見当たらず、
その津川晃氏もすでに亡くなっているため、詳しいことはわからずじまいだった。
この他にも、布施明や菅原洋一、舟木一夫に伊東ゆかりといったそうそうたる歌手がカバーしている。
また、ブレンダ・リーやグラシェラ・スサーナなどの日本ではお馴染みの外国人歌手、
さらには、テノールの秋川雅史や演歌の香西かおりなど様々なカバーがyoutubeに投稿されていた。
この歌が誕生して半世紀、また多様なジャンルの歌手がカバーしていることを思うと、
日本歌謡史上(大げさだが)のスタンダード・ナンバーのひとつともいえるのではないか。
youtubeに投稿されている中から、華やかなバラのイメージにふさわしい
躍動感に満ちたアレンジと伸びやかな歌声が印象的なこのバージョンを選んでみた。
五月のバラ 塚田三喜夫
このyoutubeの投稿に残された、「五月のバラ」ならこの人...というコメントから思うに、
おそらくは塚田三喜夫の代表曲なのだろう。
それで、このひとのことも調べてみたが、
バリトン歌手でミュージカル俳優という経歴がかろうじてわかった程度。
しかも残念なことに、このひともすでに亡くなっていた。
(ミュージカルについては門外漢なので、実は有名な方なのかもしれない。気に障った方があればご容赦を。)
さらに、この歌を持ち歌としていた尾崎紀世彦。
奇しくも明日5月30日が命日で、亡くなって早5年とのこと、
この歌をたいせつに歌い継いできた人たちがすでにいないこと、名曲ゆえに寂しさを感じる。
なにやら湿っぽい話になったが、
今一度、五月のバラ。
真っ青な皐月の空に映える色とりどりの花たち。
咲き誇れ五月のバラ!