折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

夕映えの港 By空倶楽部

2021-09-29 | 若狭 越前 越中

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 


ここで撮るといつも同じ構図。

けれども光が違う。

と、言い訳がましくも三国港の夕映え。

          三国港(福井県坂井市)2021.9.25 17:00    Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (70㎜  f/8,1/400sec,ISO125)    

 

一級河川 九頭竜川の河口に開けた良港。

その港を外海と遮断するエッセル突堤が海面を穏やかに保ち

それゆえにこの景観を見せてくれている。

「夕映えの名所」を独り占め、とばかりに

夕方のひと時を楽しんだのである。

 


折りにふれての選曲はウド・ユルゲンスの「夕映えのふたり」

オーストリアが生んだ国民的歌手とのことだが

正直なところこの曲しか知らない。

 
   Was ich dir sagen will      Udo Jürgens  

♪ 言わないで慰めは 涙を誘うから

  触れないでこの指に 心が乱れるから

と、サビの部分を記せば、

「あの曲か!」と気づく方も多いかもしれない。

それにしても...だ。

当時、ストリートピアノなる文化はなかったにせよ。

観客のいない殺風景な陸上競技場に、

しかもトラックのど真ん中に置かれたピアノでこの曲。

もうすこし撮りようがなかったものだろうか。

拝借しておいてなんだが。

 

 

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Desperado

2021-09-25 | 折にふれて

彼岸花が見ごろを向かえている。

と書きだしたものの、すでにたくさんのブロガーさんがアップされていて

かなり遅れをとっている。

彼岸花は群生が特長だから、その様子を何枚か撮ったのだが

いまさら感が強く、周回遅れは否めない。

あきらめかけたところ、ふと、木々の間に遠慮がちに咲いている花を見つけた。

 


   Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (25㎜ ,f/5.6,1/125sec,ISO100) 

 

群生地からすこし離れたところ。

うっそうと木々が茂る中、

仲間たちから距離を置くように

ひっそりとその花は咲いていた。

深い緑の合間、孤独な赤に目がとまったのだが

その時ふいに、この曲の歌詞を思い出してもいた。

 
 Desperado Linda Ronstadt 

オリジナルはご存じの通りイーグルス。

ライブ映像を探したが、音質のいいものは見つからなかった。

それで、彼らの盟友リンダ・ロンシュタットの映像を貼ったのだが...。

さすがはロックの歌姫。

やさしく美しく歌い出すも、

やがては声量の豊かさ、その熱唱ぶりに圧倒される。

 

やがて50年近くも前のことになるが、

イーグルスがこの曲をリリースしたとき

邦題では「ならず者」と紹介された。

歌詞を読めばすぐにわかるが、

主人公はどの世界にもいる、生きるのが少し不器用なひと。

それを「ならず者」とはあまりにも気の毒だろう、と思っていた。

その後、多くのミュージシャンにカバーされ、

歌詞が広く知られることになったせいか

最近では原題通りの「デスペラード」で

紹介されること多くなったように思う。

友へ、部下へ、そして父から子へ。

思いやりに満ちた味わい深い内容だと思う。


『デスペラード』

デスペラード 気を取り直せよ

お前は長い間いくつもの壁を乗り越えてきた

強情なところもあるが、きっとお前なりの事情もあるのだろう

今は楽しいと思っていることも

いつかはお前を苦しめることにもなるんだ

 

ダイヤのクイーンを引こうとするんじゃない

奴は隙あらばお前を打ちのめそうとするのだから

ハートのクイーンがいつもいいカードだってことを知っているだろう

見ろよ。テーブルの上にはもう

ずいぶんといい手札が揃っているじゃないか

なのにお前はいつも手に入らないものばかりを欲しがっている

 

デスペラード 時間を取り戻すことはできないんだ

痛みや渇きを感じたなら家へ戻って来いよ

自由?、自由だからというのか。

それはどこかの誰かが言っていることで

世の中を独りで渡ろうとするなんて罪作りなことなんだ

 

冬になれば足は寒さに凍えるだろう

雪が降っているのか、陽が照っているのか

夜なのか、昼なのか

高ぶっているのか、落ち込んでいるのかさえもわからない

感情が失われていくなんておかしなことだろう

 

デスペラード 正気を取り戻すんだ

自分の世界から戻って、扉を開けるんだ

今は雨が降っているかもしれないが

やがてはお前の頭上に虹がかかるさ

誰かに愛されるんだ

誰かに愛されたほうがいい

手遅れにならないうちに

 

 

 

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冬の星座を描いてみた

2021-09-22 | 星空の誘惑

雨晴の夜空の続き。

まだ9月というのに、深夜ともなると

夜空を飾るのは冬の星座。

その空に星座を描いてみた。

         雨晴海岸(富山県高岡市) 2021.09.12  0:56  Sony α7S2   FE2.8 16-35 GM (20㎜ ,f/2.8,20sec,ISO3200)

 


折にふれての曲は、フィフス・ディメンジョンの「輝く星座~レット・ザ・サンシャイン」


 Aquarius - Let The Sunshine The Fifth Dimension  

50年以上も前。

洋楽を聞きだしたころだったと思う。

不思議な雰囲気の美しい曲だと聞いていたことを覚えている。

 

 

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雨晴に星が降る  By空倶楽部

2021-09-19 | 星空の誘惑

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで



その夜の雨晴。


    雨晴海岸(富山県高岡市)2021.09.12  1:34   Sony α7R3  Distagon  24㎜  F2  ZA SSM(f/2,20sec,ISO800)    

 

雨晴海岸といえば、写真愛好家なら一度は訪れてみたいと思う場所。

その目的は、冬から春先にかけての早朝、

海から上がる気嵐が見せる、幻想的とも勇壮ともいえる光景だ。

けれども、それはそれとして

ここは一年を通して星空撮影に向いているのでは、とも思う。

市街地からさほど離れていないにもかかわらず、

空が大きく開け、街の灯りの影響も少ないからだ。

 

夜半過ぎ。空はすでに冬の様相。

満天の星が出迎えてくれて

女岩の上には大きくオリオン座かかかっていた。

 



台風が通り過ぎたから...というわけでもないが。  

  Like a hurricane      Bryan Ferry   Nuits de Fourviere Live in Lyon
 

 

女性たちのパフォーマンスが光るステージ。

ギター、コーラス、そして圧巻はキーボードとサックスを担当する女性。

終始、淡々とした表情で重要なパートを演奏する。

わずかに表情をくずしたといえば、サビのサックスを吹き終えた後に見せた「はにかみ」笑いくらい。

そんな彼女ながら、演奏においてはぞくぞくするほどの凄みを感じさせる。

「淡々と」と書いたが、それは彼女だけではない。

メンバー全員が感情をほとんど表に出していないように思えた。

「あえて」の演出なのかどうかはわからないが、

それでも、演奏の熱気と彼らの内なる情熱はじゅうぶんに伝わってくる。

ブライアン・フェリーが作りだしたクールな世界。

もうひとつのロキシー・ミュージックがその中にある、と映像に見入った次第だ。

 

 

 

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国立新美術館

2021-09-12 | 郷愁的東京

二年ぶりに国立新美術館へ行ってきた。

ミッドタウンの交差点から近づくと

突然、森の中に大きな空を映しこんだような建物が現れる。

美しい曲面が連続するガラスカーテンウォールは

一度見ただけで目に焼きつくほど印象的だ。

いつもなら、入館前と入館後にその外観を撮るのだが

今回、この建物の美しさをさらに認識したのが内観。

吹き抜け部に立ち上がる巨大な円錐形の柱だった。

 

  国立新美術館(東京都港区)2021.09.05  13:27   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/30sec,ISO125

 

ただ美しさだけで眺めていた鉄とガラスの建物外観が

巨大なコンクリートの柱を包み込む皮膚のように思えてきた。

これまでは建物が大きすぎて、総体としてとらえきれていなかったが

二階から吹き抜け部を眺めてみるとそれがよくわかる。

外観と内観の関係性にようやく気づいたことで

この建物が持つデザインの奥深さをあらためて認識した次第だ。

 

  国立新美術館(東京都港区)2021.09.05  12:05   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/30sec,ISO400

 


デビューから40年余り。

メンバー変遷を繰り返し、不遇な時代もあったようだが

彼らが持つ圧倒的な熱量はずっと変わらない。

 
    On The Soul Side Of Town    Tower of Power

 

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トワイライト By空倶楽部

2021-09-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

毎月9日はお題の日。

今月のお題は「映り込みの空」。

空が映り込む場所を探さなければならないことを思うと

難題のひとつかもしれない。

そこでやってきたのが白山市の徳光海岸。

空撮り基地のひとつではあるが、波のある海に空は映らない。

けれども、テトラポットで区切られた海水溜りなら

空が映り込むのでは、と思いついたのだ。

その日の夕刻、日没間近。

ほんとうの空と映り込んだ空と。

ふたつの夕焼けが待っていてくれた。



     徳光海岸(石川県白山市)2021.08.21 18:01   Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8ZA SSM(24㎜ f/18,1/60sec,ISO100)    

 

ところで。

ふと、あたりを見回してみると...。

いつの間にか何人かのカメラマンが集まっていた。

夕陽撮りが目的なのだろう。

みなが海に向かって望遠レンズを構えている。

さて、彼らから見て、私はどんなふうに映っていたのだろう。

ひとり、うずくまったり、寝そべったりして水溜りにカメラを向けていたのだから(笑)


夕暮れのドライブで聴きたくなる曲のひとつ。

 
    Samba Pa Ti     Carlos Santana 

 

 

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悲しき Meiji Street

2021-09-06 | 語りかける街

その日、神宮前での所用を済ませた帰り道。

キャットストリートから明治通りに出たあたりで

目の前に広がる煌々とした明かりに圧倒された。


        明治通り(東京都渋谷区) 2021.09.04  19:44   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (24㎜ ,f/5.6,1/30sec,ISO1600) 

 

一瞬、「なんだこれは!」と戸惑ったのだが、

すぐに商業施設とともに再開発された宮下公園と気づいた。

 

もう50年近くも昔のこと。

すでに朽ちかけた宮下公園と

公園沿いの明治通りは渋谷の中でも

立ち遅れた地域という印象を持っていた。

それで、突然現れた「煌々とした光景」に圧倒されたのだ。

けれども、立ち遅れた中にひとつだけ近未来的な光景を覚えていて

「あれはどうなったのだろう?」と渋谷駅への道を急いだ。

 

渋谷駅の三階のホームを発した銀座線のカナリヤ色の車体は

明治通りをゆっくりと跨ぎ、その後すぐに青山台地へと

吸い込まれるように消える。

「地下鉄の駅がなぜ三階に?」という違和感とともに

空中を行き来する電車が、自分の目には近未来的な光景として映っていたのだ。

その光景を上京間もない私に自慢げに教えたのは

開業当時の銀座線に勤めていた父だったのだが

その光景がどうなったのか...、それが気になったのである。

                  地下鉄の話 銀座線  2017.05.11

渋谷駅とヒカリエの間、

かつて銀座線が走っていた明治通りの上に

大きなチューブ状の橋が架かっていた。

そのチューブはガラスで覆われていて

その中にカナリヤ色の車体が止まっているのが見える。

銀座線のホームが移動したのだ。

 

父が自慢した光景はすでに無くなっていた。

新しい高層ビルとともに駅舎の新装が完了したのである。

それがちょっぴりさみしくもあったのだが

時の流れは仕方のないことだからと、自分にこう言い聞かせた。

「いや、これこそがあの時思い描いた未来の光景なのだ」と。

そして、胸の奥にまたひとつ、失われた光景をしまい込んだのである。

 


 
 悲しきクラクション  杉真理

 

 

 

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回想 風の乙女たち

2021-09-03 | 若狭 越前 越中

この時期、決まって訪れるのが富山市八尾。

9月1日から3日まで開かれる越中おわら風の盆を見物するためだ。

 

 

ところが、コロナの影響で昨年、今年と開催が中止。

なんとも寂しい秋の訪れとなったのだが、

例によって、未公開フォルダに置き去りにしてきた写真を公開。

題して「回想 風の乙女たち」

夕刻前に八尾に入ると通りのあちこちから

物悲しい胡弓と三味線の音色が聞こえてくる。

越中おわら節だ。

そのおわら節に合わせて若い男女が艶やかな踊りを披露するのだが

そのボルテージが上がるのは陽が落ちてから。

この風の盆の見どころは

町内ごとに編成された踊り手、囃子方による町流し。

立春から二百十日、収穫の頃に吹く強い風を鎮めるため、

三日三晩、八尾の人たちが町を踊り歩いたのがその起源だという。

胡弓と三味線の哀愁を帯びた音色に合わせ、未婚の男女が織りなす恋の踊り。

人口が一万人にも満たない山間の小さな町に

おわら節と彼らの踊りに魅せられた人たちが

全国からやって来る。

その数は二十万人を超えるという。

 

そのひとたちをもてなしてくれる風の乙女たち。

 

来年こそ、この騒ぎが終息して

ふたたび彼女たちに会えることを切望してやまない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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