折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

秋風を待つ tricolour By空倶楽部

2019-08-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 

風景に惹かれるからカメラを向ける。

そのくせ風景の何に惹かれたのか

はっきりとわかっていないことが多い。

そしてまた主題を決めて撮るものの

なぜそれを主題として選びたかったのか

思い返せばほとんどあいまいなことも事実。

けれども、この風景に限ってはそれが明確だった。

 

 Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (22㎜ ,f/2.8,1/2500sec,ISO100)  

 

だれかのイタズラ心がそうさせたのか、

琵琶湖を背景に「撮ってください」とばかりに整列した3色のボート。

思わず近寄って思いきりシャッターを切ったのだが、

ふとその時、汗した額に感じた心地よい風は

秋風そのものだった。

 

 

そして、そして...

秋風が吹くとなぜかわからないけど

聴きたくなるのがこの人の歌声。

 
 Art Garfunkel - Scissors Cut

 

 

 

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What a glorious time !

2019-08-25 | 語りかける街

雪国との印象が強くて意外に思うかもしれないが金沢の夏はかなり暑い。

ことさらこの夏は連日35℃近い暑さが続き、

そこへ台風が運んできた南風のせいもあって

盆休などは40℃近い暑さを記録した日もあったくらいだ。

ところがそれから一週間ばかり。

その記録的な暑さもすっかり和らいで

夜などは秋風を感じるくらい過ごしやすくなった。

そんな週末。

夏バテ気味だったことや

盆明けの仕事が過密だったことで

多少気力も落ちぎみ。

気分転換で金沢中心部へ繰り出すことにした。

 

 

 Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/2.8,1/30sec,ISO1000) 

 

おいしい食事に楽しい会話。

そして気がつくと時間はすでに午後10時。

ふだんならゆっくりと体を休める時間だが

この日に限ってはまだまだ宵の口。

What a glorious time to be free!

夜の街がそう語りかけているように思えたのだった。 

 


 I.G.Y. Donald Fagen

 

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秋ハ夏ノ焼ケ残リサ By空倶楽部

2019-08-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 


 

 

白山市徳光海岸の夕景 

 Sony α99  F2.8G/70-200㎜ (70㎜, f/8,1/400sec , ISO100)

 

自宅から徳光海岸までは10Km。

車だと30分の距離なので

夕方が近づき、空模様が気になりだしてから出かけても

空が焼ける時間にはじゅうぶん間に合う。

 

 

このところの金沢。

8月も半ばを過ぎたとはいえ

日中の気温は35℃前後で、暑さが納まる気配は一向に感じられない。

けれども、夕方の雲の様子を眺めていたら

ふと、秋を予感させる夏の情景を思い出し、

徳光海岸へ出てみようと思い立ったのだ。

前回の記事で太宰治の「ア、秋」を紹介したが

そこにはこんな秋が記されてもいる。

「秋ハ夏ノ焼ケ残リサ」

暑い夏が焼けるだけ焼けて、そしてやがて秋となる。

そんなことを言っているのだろうけど

この空を眺める限り、

今年の夏が焼け落ちるにはまだすこし時間がかかりそうである。

しかしその一方で、海から吹いてくる風はいくぶん涼しく

こうして日一日と秋が近づいてくるのだろう、と思ったりもしたのだった。

 

 

 

 

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琵琶湖で ア、秋!

2019-08-16 | 近江憧憬

連日猛暑が続く日本列島。

けれども、ひょっとして琵琶湖なら幾分か涼しいのでは...!?

そんな思いで出かけたのだが、フロントパネルに表示される外気温は36℃。

列島を覆う炎熱に例外はないようだ。

日が陰り始めてもその日の暑さはとどまることを知らない。

それで、たまりかねて湖畔のカフェへと逃げ込むことにした。

水泳場帰りの客で混みあっているかな、とも思ったのだが

この暑さで人出ももうひとつらしい。

幸いにもひと時の涼をとることができたのだった。

 

そんな暑さにもかかわらずはるばる出かけたのには理由があって

それは、この時期の写真テーマ「ア、秋」の風景を探すことだった。

もう何年も前のことになるが、新聞のコラム欄に太宰治の創作ノート「ア、秋」のことが書かれてあった。

その中には、”秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル” と題された文章が残されていて

「夏の中に秋がこっそり隠れてもはや来ているのであるが、

 人は炎熱にだまされてそれを見破ることが出来ぬ。」 と記されている。

夏から秋へと移り変わる季節のあいまいさを

太宰治は彼一流のユーモアで表現しているのである。

なるほど夏から秋へと移り変わる季節はあいまいだ。

春一番が吹き、桜便りが届けば寒い冬ももうじき終わると希望を持てるし、

逆に、木枯らし一号が吹き、初雪の知らせがあればもう冬かとおっくうな気持ちになる。

また、新緑が眩しくなれば夏の到来を感じ、梅雨が明ければ猛暑を覚悟する。

そんなふうにそれぞれの季節にはそれぞれの知らせがある。

ところが夏から秋への移り変わりだけははっきりしない。

それで、この時期になると夏に隠れてやってくるという秋を見つけてやろうと出かけるのである。

 

さて、そんな徒労とも思える所業を終えた帰り道でのこと。 

 

「撮ってください!」とばかりに

リズミカルに置かれた三色のボート 。

「これは素通りできないな」と苦笑しつつシャッターを切ったのだが...。

ふと、その先に広がる風景が気になり始めた。

琵琶湖の水の色、さらには空の色の青が

こころなしか濃くなっているように思えたからだ。

このあたり真夏は水の蒸散が多いせいだろうか

もっと淡い青、水色に包まれるという印象がある。

陽が陰り始めたことで青が濃くなったと錯覚したのかもしれない。

けれどもその風景をしばらく眺め、時折吹く風を感じながらこう思ったのである。

琵琶湖の底に潜んでいた秋がそろそろ出番を待ちきれずに

ウズウズし始めているのではないだろうか、と。

 

 



花のように / ベッツィ&クリス

なにげなく見上げた青い空の雲が

風に揺れ誰かの姿に見えてくる

青空がかわった 青空がかわったの

なにげなく見上げた青空がかわったの

 

ハワイ出身の女性デュオ ベッツィ&クリスの「花のように」

透明感のあるコーラスが印象的な名曲で作詞は北山修。

恋の始まりの気持ちを空の色に映す乙女心を

50年近くたった今でも甘酸っぱく感じてしまう。

 

 

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「なんじゃこれ?!」の風景

2019-08-14 | 抒情的金沢

「山の日」の金沢駅。

盆とはいえ観光客の足が途絶えることなく

さらにはたくさんの帰省客も加わって終日大混雑。

そんな駅利用客の多くがふと立ち止まり

そして見上げる先は...

  Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/4.5,1/125sec,ISO100) 

 

金沢駅の新しいシンボルとしてもてなしドームと鼓門が完成したのが2005年3月。

当時、金沢市民の大方の感想は「なんじゃこれ?!」だった。

ところが、時を経てこの風景が目に馴染んできたこと、

さらには「世界で最も美しい駅14選」に選ばれたことで

この風景、文字通り「市民権」を得ている。

ガイドブックなどで紹介されているので

観光で金沢を訪れた人にとっては

初めて目にする金沢の特別な風景なのだろうけど

金沢を「ふるさと」として帰省する人にとってはどう映るのだろう。

いまだに「なんじゃこれ?!」に違いないと、思えるのだが。

 

 

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緑の岬

2019-08-04 | 日常の中に

梅雨が明けて10日あまり。

それにもかかわらずもうひと月以上も

暑い夏に耐えているような感覚だ。

きっと、連日続く夏空に猛暑で日付の感覚がマヒしているのだと思う。

以前シンガポールに赴任したことのある友人から聞いた話だが、

年中熱帯気候が続くシンガポールにいると

出来事は覚えているが、いつのことだったのか

思い出せないことが多いのだという。

四季があるからこそ時間感覚を保てるのだろう、とも言っていた。

四季だけではない。

晴れの日があって、雨の日や曇りの日もあるからこそ、

その時の空気感とともに時間の流れを記憶できるに違いない。

ただ熱いだけで抑揚のない日々。

数日前の出来事でさえ遠い日のことに思えてしまい、

梅雨明け以来の時間が間延びして流れているようだ。

 

さて。そんな体に悪い暑さは避けて、と家でのんびりと過ごす休日。

さらに涼しげな写真はないものか、と

探し当てたのが越前岬でのこの一枚。

 

 

厚い雲が空一面を覆い、

時折、冷たい雨も落ちてくる梅雨の日。

光量、コントラストとも乏しかったが

その状況でも岬全体を覆う鮮やかな緑が印象に残った。

ひと月前の出来事。

猛暑の中でこの梅雨の景色が遠い昔のことのように懐かしく思えた次第でもある。

 

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