はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

分水嶺を越えて石徹白(いとしろ)へ

2015-10-02 15:00:08 | 分水嶺の旅
9月30日に、20年ぶりに石徹白を訪れました。
石徹白には、旅館や民宿はありますが、コンビニはありません。わかりやすく言えば、そんな集落です。

石徹白地区は、現在は岐阜県ですが、昭和33年までは、福井県でした。分水嶺的には、福井県なんですが…。なぜなら石徹白の集落を流れる石徹白川は、下流で九頭竜川となり、やがて日本海にそそぐからです。
ところが、石徹白から下流に向かう道は、豪雪のため度々通行止めになりました。それよりは、5キロ上流の桧峠を越えて、岐阜県の白鳥に出る方が便利だったため、陳情の末、岐阜県となったということです。

桧峠から流れ出る川は、石徹白に向かって流れる峠川が石徹白川、九頭竜川となって日本海に、その反対に白鳥に向かって流れる前谷川が長良川となって太平洋側へと、まさに桧峠は分水嶺なのです。
(石徹白川の清流はやがて日本海へ)

前回に紹介した「満天の湯」は、分水嶺にある温泉なのです。この温泉の湯船から溢れたお湯は、どちらに流れていくのか気になるところです。

さて、今では釣り人しか訪れないようなところですが、石徹白は、古代から白山中居神社を中心とする白山信仰の重要な拠点だったようです。平安時代から鎌倉時代にかけて、白山信仰が盛んだった時代には「上り千人、下り千人、泊り千人」と言われたということです。
(白山中居神社の鳥居を内側から)

(りっぱな杉の間を通って本殿へ)

(宮川を渡ります。ここは禁漁区です)

(本殿が見えてきました)

(本殿です)

(自然石を積んだ石垣)

今は静かな境内ですが、往時はたくさんの人が参詣していたのでしょう。そんなことを得意のタイムトリップしながら考えていました。

白山信仰と言えば、白山への登山ですが、今も7キロほど上流に登山口があります。もちろん現在も、ここから白山へ登山する人はいるようです。ただし、室堂まで19キロと書いてありました。
(美濃禅定道の登山口です)

(石段を登っていきます)

ここを10分上れば、有名な「石徹白の大杉」があったのですが、3分上ったところで諦めました。(なかなかきつい石段です)

釣りで訪れた石徹白ですが、少し歴史にもふれることができた旅でした。
(秋の石徹白川)


※石徹白に向かうには、大阪からは東海北陸道の白鳥インターで下りて、長良川に沿って、国道を少し走ったら前川で峠道に入っていきます。これがなかなかの峠道です。今は峠にスキー場や温泉施設が出来て、道も良くなりましたが、クネクネ度は昔と変わっていません。上りきったところが分水嶺の桧峠です。石徹白には、5キロ下っていきます。(もちろん、福井県側からもいけますよ)