はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

葛城山の麓をぶらり

2015-10-08 19:58:00 | 古代史の舞台を歩く
葛城山ですすきを堪能したあとは、葛城山の麓をぶらりしました。
このあたり一帯は、古代(5世紀後半頃)に、葛城氏の本拠地があったところです。


その中に、葛城一族が祀る「一言主(ひとことぬし)神社」があります。


一言主神社は、願い事を一言だけ聞いてくれる「いちごんさん」として地元の人から親しまれています。


実は、この神様は『古事記』や『日本書紀』にも登場します。
『古事記』によれば、雄略天皇(この天皇は実在した大王と考えられています)が、葛城山に狩に出かけたときに、同じ格好をした一行に出合います。天皇が「お前は何者だ」と問いかけたところ、(ひとことぬしは)「私は善事も悪事も一言で言い放つ神である」と言われました。天皇はひれ伏し、その後、共に狩を楽しんだということです。


ところで、この神様、お顔が醜かったとか…。そんな話を知っていたのか、我が芭蕉さんは『笈の小文』のなかで、「猶(なほ)見たし花に明行(あけゆく)神の顔」という句を詠んでいます。
(御神木の乳銀杏 間もなく黄色に)

そんな葛城の里も、すっかり秋の風情でした。



※葛城山には、大阪から水越峠を越えて行ったのですが、水越峠のあたりも少し歩いてみました。
(水越峠の登山口付近)

(水越峠も今やトンネルで)