はりさんの旅日記

気分は芭蕉か司馬遼太郎。時々、宮本常一。まあぼちぼちいこか。
     

万葉の里をぶらり

2021-01-07 19:15:55 | 明日香をぶらり
前回、八釣の里の蝋梅をアップしましたが、八釣の里には駐車場が無いので、いつも万葉文化館に車を置いて歩いて行くことにしています。
歩くといっても、10分ほどの距離ですが(笑)
途中には明日香らしい風景が広がっています。大原の里や八釣の里など、万葉の歌にうたわれた集落もあり飽きることはありません。


小原(おおはら)の里からは、遠くに二上山、その手前に畝傍山(大和三山)、一番手前に甘樫丘を望むことができます。




万葉集に天武天皇の歌があります。「我が里に 大雪降れり 大原の 古りにし里に 降らまくはのち」
この歌は天武天皇が夫人に贈ったものです。これに対して夫人はこう答えています。
「我が岡の おかみに言ひて 降らしめし 雪の砕けし そこに散りけむ」




この歌の面白いところは、大原(小原)の里から1キロと離れていない浄御原宮からの歌のやりとりです。以下、犬養孝「万葉の旅」より引用です。『天皇は大した雪でもないものを大雪といってみせて、「古ぼけてしまった大原の里に降るのは後だろうよ」とからかえば、「うちの雨雪の神様にいいつけて降らせた雪のとばっちりがそこに散ったのでしょうよ」としっぺがえしをする。おおらかさとこまかさの妙もあるが、実は同じ雪の、ごく近くの間のうたいあいであればこそ、ユーモアにみちた心と心とがあざやかに浮彫りにされてくるのだ。』




小原の里では菜の花(?)が咲いていました。このあと、石舞台古墳にも行ってみたのですが、そこはまだまだでした。




この日は、大雪の降るような寒さでもなく、日当たりはポカポカと暖かかったです。




素敵な一本の木が目にとまりました。木の左奥に見えるのは藤原鎌足の生誕の地と伝えられる大原神社です。




道端の山茶花です。




八釣の里の蝋梅です。




冬の明日香のひとときを、ゆっくりと楽しむことができました。

※訪問日 2021.1.6