昨年清水義範という作家の小説が気に入り彼の小説を続けて5~6冊読みましたが、その後また小説から離れてしまいました。 そろそろ又何か適当な小説を読もうかと思っていたところ図書館で目にしたのが斎藤美奈子著の『妊娠小説』です。変わった題名の小説だなと思ったのですが、実は『妊娠小説』は小説ではなく著者が定義する「望まない妊娠を登載した小説=妊娠小説」について考察した本で、斎藤美奈子はこの本で評論家として華々しくデビューしたそうです。 森鴎外の『舞姫』と島崎藤村の『新生』をそれぞれ妊娠小説の父と母とする歴史的な解説から始まり、日本の近代小説を大胆に分析しています。 たちまち著者のファンになり、著者の『文章読本さん江』と『あほらし屋の鐘が鳴る』も立て続けに図書館から借りて読んでしまいました。 著者の分析力と文章力には不思議な魔力があり、対象となっている小説のほとんどを読んだことのない私でも(だから?)納得の連続で、斎藤美奈子中毒になりそうです。 自分が読んだことのある小説についての話を読むと自分は今まで同じ本を何とぼおっとして読んでいたのだろうと我ながら読解力のなさに気がつくしまつです。
これ以上斎藤美奈子の本を読むと本物の小説を読む必要性を感じなくなる気がしたので(実は既になりつつある)一旦斎藤美奈子とは縁を切って、と言っても小説を読む気は無くなったので、斎藤美奈子が評論した、小説以外の本の内『さよならダーウィニズム』と『絶対音感』を読みたくなった。早速図書館に借りに行こう。
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