はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

医師との疎通

2017-09-29 16:11:14 | はがき随筆
 「この年になると同窓会の度に訃音を聞くね」「離れているので、時間がたってから偶然知ることが多いです」「生れは何処」「東京です。育ったのは武蔵野。先生はずっと鹿児島ですか」「小学校からだから同窓会も多い」「旧交を温める機会が多くていいですね」「もうすぐ誕生日だね」
 カルテの生年月日を見て言う。定期的に通院する医師との会話である。同じ年で、異常がなければ四方山話に終始し、聴診器を当てて終了。なんでも言えるし聞いてくれる。安心できるし元気になる。どっちが長生きするか楽しみなのである。
  志布志市 若宮庸成  2017/9/29 毎日新聞鹿児島版掲載