はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

まさかの大発見

2019-10-14 17:50:40 | はがき随筆


 庭にはミカン(日向夏)と柿の木がそれぞれ1本ずつ植わっている。どちらも新築当時植えた。とうに50歳を過ぎた老木だ。
 ミカンは今も元気に毎年実を付けて、孫を喜ばせる。が、柿の方は花芽をいくつか見せるが今は実を付けるまではいかない。それも、施肥をするでもなく成り行きに任せている。
 伸び放題の庭木がジャングルみたいだと、妻が嘆くので仕方なく剪定に取り掛かった。それが、切り落とそうとした枝に葉っぱに隠れてぶら下がっている柿の実1個を見つけた。驚きのまさかの大発見だった。つい、大声で妻を呼んだ。
 宮崎市 日高達男(77) 2019/10/14 毎日新聞鹿児島版掲載

あおり運転

2019-10-14 17:42:44 | はがき随筆
 ドライバーの命を脅かすあおり運転のニュースが頻繁に流れる。「普通の人なのにハンドルを握ると人が変わったようになる」という言葉をよく聞く。
 実際は逆で、ハンドルを握っている時がその人の本当の姿で、日常の生活が仮の姿だと解釈した方が良い。スポーツ選手や芸能人で有名になるほど横柄になる人がおり、会社でも地位が上がるとそのようになる人がいる。ワンマンで好戦的な性格が出てくるのだろう。
 あおり運転に出会うたびに「この人も横柄予備軍だな。会社で上役にでもなったら部下が可哀そう」とつい思ってしまう。
 熊本県嘉島町 宮本登(68) 2019/10/13 毎日新聞鹿児島版掲載