「明けましておめでとうございます」、孫が改まった口調で挨拶をしてきた。狙いは見え透いているがすんなり渡さずに、今年はまず彼の決意を質す。
勉強を、スポーツを、と頑張る目標を自信気に謳いあげるが後が続かない。突然の問い掛けに戸惑っている様子。そこで、友達とは、車には、健康は、と誘い水をかける。「頑張る、頑張る」と水を得た鯉の勢いだ。
ようやくそこで「おめでとう、頑張ってね」と励ましながらお年玉袋を手渡したのに、「ありがとう」もなく当然のように受け取るとリュックにしまう孫。ちょっぴり拍子抜けした。
宮崎市 日高達男(78) 2020/1/11 毎日新聞鹿児島版掲載