施設に入所している母に100日ぶりに面会ができた。「3月から面会禁止」となったとき、まさかこんなに長くなるとは思わなかった。会える日まで生きていてと切に祈った。6月から予約を取ると5分間だけ面会できると知り、すぐに申し込んだ。1週間後、順番がきた。
娘を覚えているか不安だったが、分かっているようでうれしかった。孫たちの写真を見せながら「これは○○、そっちは○○よ」と教えていくと、記憶の糸を手繰り寄せるように見入っていた。あっという間の5分間で「もう帰るの」。それが久しぶりに聞いた母の声だった。
鹿児島県出水市 清水昌子(67) 2020/8/1 毎日新聞鹿児島版掲載