先日の随筆「くっつき野菜」を読み、昔の事を思い出した。
親が根菜を土に埋めて保存していた記憶から庭の隅にゴボウをいけた。堀忘れた1本がやがて芽を出し、大きな葉をつけ、そして紫色の花を咲かせた。初めて見る「ゴボウの花」。きっと子どもたちも知らないだろうと、小学生の娘に新聞紙に包んで持たせた。学校での様子を楽しみに娘に聞くと、少し元気なく「先生に怒られた」「こんな危ないものを持ってきて」と言われたとのこと。アザミのようなトゲが問題だったようだ。娘の気持ちも考えずに一人満悦していた自分を反省した。
宮崎県延岡市 松尾雅敏(68) 2022.10.12 毎日新聞鹿児島版掲載