えっ。こんな所にタブノキが──。車庫の裏にいつの間に生えたのだろう。1㍍ほどの高さになり緑の葉を茂らせ、丸い緑の実をつけている。この木の枝を切ると、白い汁がジュッと出てくる。ウサギの好きな葉だ。
ずっと前、まだ父が元気だったころ、私は学校のウサギのえさを探していた。その時、父が近くの山から見つけてきてくれたのがタブノキの葉だった。
小鳥が種を運んできたのだろうか。今年は父の七年忌。いつの間にか生えていたタブノキを見ながら、亡き父を思った。ひょっとしたら、父からの贈り物なのかもしれない。
出水市 山岡淳子(50) 2008/10/4 毎日新聞鹿児島版掲載
写真は植物園さんより
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