毎朝、総菜を届けてくれる娘が「空がきれいよ」と。10分くらい話して帰り際、私の「明けの空を見たい」という願いで一緒に外に出た。
「オリオンよ」「大きいね」「その後ろに北斗七星が」と振り返って確かめる。「あの星は?」「木星かな」。二人で昔のように会話をしながら見上げるうたに東の空が明るくなった。
「ありがとう」。レモンの木の下をつえをついて庭に行く私を見守り、通りへ出る娘の気配。小さなことだけど、一緒に明けの空を見上げられてうれしかった。桜島は一握りの煙を上げている。今日もいい天気。
鹿児島市 東郷久子(87) 2021.11.20 毎日新聞鹿児島版掲載
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