はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

親指も

2011-10-07 21:15:09 | はがき随筆
 「親指」とは、よく言ったものだ。
 最近、右手の親指を負傷し、外科に通うことになってしまった。包帯を巻かれた親指は、ハサミも使えず、卵を割ることもボタンをかけることも、ままならず。他の4本の指の助けを借りるものの容易でない。顔を洗うことすら、不自由である。
 いままで、この指の有り難さに気付くはずもなく、普通に楽々と暮らしていたことが、うそのようだ。
 親指を負傷して、その手助けを母親に委ねている。親も、親指も、本当に有り難いものである。
  肝付町 永瀬悦子 2011/10/7 毎日新聞鹿児島版掲載

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