はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

反省しました

2022-10-16 20:48:04 | はがき随筆
 14号は近づきつつあった。強弱を繰り返しながら吹きつける風は台風の前奏曲だ。最接近は今夜から明日の未明、散歩はまだ大丈夫。日曜の朝、そう判断して、いつもの谷へ向かった。
 ⏤⏤5分で入り口に着いた。ぬれた道に赤紫いろの小花が散らばっている。この先は杉と竹の林が続いて、10分もあるくと行き止まりになる。
 突然、バーン、バーン。数㍍先で爆発音がした。大杉の間の古竹が次々に
倒れていく。怖! 
 ほうほうの体で逃げ帰った。「こんな時に谷に行ってぇ。田んぼに行ったと思ちょったわ」。夫の小言がうれしかった。
 宮崎県延岡市 佐藤桂子(74) 2022.10.8 毎日新聞鹿児島版掲載
 

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