
さいた さいた チューリップのはなが……。あどけない歌声が聞こえる。しかし常夏の奄美大島では気温が高いせいか、葉っぱも花もいびつである。なんとかして子供たちにきれいな花を見せられないかと思いついたのが春化処理だった。
球根にしばらく冬眠してもらうのである。球根を給食ミルクの冷蔵庫に入れておいた。11月の中ごろだったろうか、球根を冷蔵庫から出して植えつけた。その成長の速いこと、そして冬休み明けには花壇の一画はチューリップの見事なお花畑になった。子供たちは歓声を上げ、大人たちは嘆声をもらした。
鹿児島市 野崎正昭 2017/31 毎日新聞鹿児島版掲載
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