歩道上で女の子が泣いていた。私は「大丈夫」と声をかけた。女の子はきょとんとした表情を見せた後、より強く泣き出し逃げるように走り去った。子供を取り巻く事件の多い現代社会。親は子に「変なおじさんを見たら逃げろ」と教えているのか。厚意で声掛けをしようと思っても難しい世の中になった。親はもちろん地域の大人からも子供は大切に丁寧に取り扱われていた時代もあった。「子は宝。皆で大切にそして厳しく」は死語になってしまったのか。世の中が変わっても、子供を愛する心だけは失いたくはない、と女の子の後ろ姿を眺めながら思った。
鹿児島市 吉松幸夫(49)2007/7/4 毎日新聞鹿児島版掲載
鹿児島市 吉松幸夫(49)2007/7/4 毎日新聞鹿児島版掲載
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