机上の隅に置いたビニール袋を振ると、浜で拾った白化したサンゴから、カラッカラッと済んだ音がする。そして八重山諸島の旅を思い出す。海底グラスボートで見た熱帯魚とサンゴの美しさは脳裏から離れない。同時に子供の頃の想像が解けたうれしさがある。竜宮城に行った浦島太郎と美しいサンゴ、さまざまな魚のくだりを国語で習い、山間の町に育つ私は妄想した。さし絵も覚えている。年を経ての旅で海底の様子は文章の通りだった。基地の問題の辺野古や海底を汚す記事を見ると心が痛む。永遠にこの美しい海が続くことを祈る。
出水市 年神貞子 2016/6/14 毎日新聞鹿児島版掲載
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