西の空は落日の光景である。重なる雲のすき間から、今しも大きな夕日が沈もうとしている。その美しさに驚いた。
〝アレッ〟面白いことに車の列も東から夕日に向けて帰る車の数が断然多い。食べて、働いて、そして眠る、この単純な繰り返し。朝が来て昼に至り、やがて夕暮れが街に迫る。それが生活というものだろう。
通りすがりの子どもたちの会話が遠のき、次第に遠い記憶に結ばれ、現実の風景よりも強い幻想を覚えて、何だか安らぎの故郷に戻った気がした。私たちは来る日のために生きている。
愉しい明日を夢見よう。
宮崎市 黒木正明 2018/5/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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