はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

熊本大空襲

2018-07-06 11:25:08 | はがき随筆
 けたたましいサイレンの音。空襲警報だ。数分とおかずに「ドドン」「ドドン」と爆発音。西の空が真っ赤に染まる。突然、間近でボーンと激しい火炎が上がり、隣家が一瞬の間に炎上し、燃え崩れる。私の家も飛散した油脂が屋根や壁に付着して青白い炎を発する。火たたきで消火し、延焼は免れる。
 火災のせいか明るくなった夜空にB29の大編隊。さほど高くない高度で次々と通過していく。そして、ひらひらと青白い布をひいた小型焼夷弾が無数に落下するありさまが望見される。翌朝、市街地の広域、近くの歩兵連隊兵舎大半の焼失を知る。
 熊本市中央区木村壽昭(85) 2018/7/5 毎日新聞鹿児島版掲載

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