はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

彼岸花 

2015-09-23 13:39:01 | はがき随筆


 濁流が「ゴーゴー」と音を立てて不知火海へ流れている米ノ津川。そのまわりでは青々と稲穂が秋の収穫へ向けて揺らいでいる。雄大な矢筈岳がドーンと見守っている。あぜ道には極楽浄土みたいに彼岸花が紅をそえている。子供の頃いっぱい手にとって匂いをかいでみた。茎が苦かった。走ってみたら、その頃にもどれた。この秋には久しぶりに彼岸花が見れる。親鸞は「人が逝ったお盆にも彼岸にも二度とこの世に帰ってこない」と説いているけど、彼岸花の陰から両親がほほ笑んでいた。そっと手を合わせたら、この世の煩悩も消えさった。
  札幌市 古井みきえ 2015/9/23 毎日新聞鹿児島版掲載

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12 コメント

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仏教 (コメンツのイケメン)
2015-09-23 20:06:47
古井さま、仏法&親鸞の教えを理解された随筆に感銘致しました。

読経や儀式で死者が救われるという信仰は、もともと仏教にはなかったのです。


しかし、このような真実の仏法を説くと、読経や葬式が死人のためになると宣伝して、生活の糧にしている人たちから猛反発されるのを恐れて、誰も明らかにしませんから、人情も後押しして、世間の根強い迷信となってしまったのです。

では、葬式や法事や読経は、全く無意味なことかといいますと、それは勤める人の精神の如何にかかっています。

厳粛な葬儀を通して、我が身を反省し罪悪観を深め無常を観じて、聞法心を強める縁とすれば有り難い勝縁となりましょう。


つまり、葬儀や法事は死者を供養するためではなく、自分自身を反省する絶好の機会だと思えばよいのだと・・親鸞は原点の仏法を教え説いたのだと思っております。

仏法の本質を理解され表現された素晴らしい随筆です。
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♪~里の秋が似合う花 (kumikomama)
2015-09-24 07:57:22
おはようございます。

「彼岸花」のあの妖艶な姿には、ゾクゾクするような女の色香を感じますが、「曼珠沙華」「死人花」「幽霊花」とっても変わった別名もありますよね~

真実の仏法を説いたのは、「親鸞聖人」のみ~
何回お話を伺っても?????です。

「親鸞聖人」は、難度の海を度する大船「阿弥陀仏の本願」一つを教えて行かれました。

前コメントの仏教 (コメンツのイケメン)さん、とっても勉強になりましたよ~
私たちの故郷出水は、「浄土真宗」が多くて、仏教とは縁が深いですよね~

「彼岸花」咲くお彼岸に思いを馳せて、「仏教」の事まで
知る事が出来ました。

今日、この時を「生かされている自分」に「南無阿弥陀仏」~素晴らしい時を有難うございました。~
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此岸と彼岸 (広島県 田丸)
2015-09-24 11:16:24
 何年か前、国東の富貴寺からの帰り道白い彼岸花を見つけました。その後、その白い彼岸花が欲しくていろいろと探しましたが見つかりませんでした。ところが二年前、地元の敬老会に用意された生け花の中で見つけ、お願いして、球根を手に入れることが出来ました。今年四本の花が咲きました。
 現世(此岸)を生きる私たちは、この時期に彼岸を見ることが出来るのかもしれません。咲き乱れる彼岸花に極楽浄土を思い、手を合わせて六字名号を唱えることで、亡くなられたご両親にも会うことが出来たのだと思います。
 親鸞様は、「弥陀の請願不思議に助けられまいらせて」に続けて、念仏を唱えることで「摂取不捨の利益」を受けることが出来ると言われたそうです。生きている間は修行だとする聖道門に比べ、浄土真宗に代表される浄土門は、思想的にも、私には受け容れ易い様に思っています。
 自らを律して生きる生き方にも魅力を感じますが、その勇気が湧いてきません。その一歩も、踏み出せないでいます。四国八十八カ所めぐりを考えたことも有りましたが、実現していません。
 今は感謝と懺悔でいこう。何か足らないところがあるのかも。何か間違えているところがあるのかも。
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さっぽろちゃまやったね! (出水兵児)
2015-09-24 13:27:41
歌だけではなくて文才もあるんだね。
そうそうかけっこも速かったんだね!
      昔のボーイフレンドより
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彼岸花・・いいです (hitareri)
2015-09-24 14:39:00
みきえさん お元気そうですね。うれしいです。
みきえさんの「彼岸花」いいです。ストレートでビンビン来る~!!

出水の土手に咲く並ぶ「彼岸花」・・
みきえさんが子どもの頃は9月のお彼岸頃の見慣れた景色だったのですね。長くこのいつも当たり前だった景色を見てなったのですね・・
その気持ちわかります。

それは
私も3年前9月中旬、10日間ほど田舎に帰ってました。父親のお見舞い?を口実の里帰りでした。その時みた「稲穂が黄金色に輝く田畑の景色」「堤防の土手に芽を吹いては次々咲く「彼岸花」の美しさにびっくりし、ハッとしたものです。
都会の車がよく走る道端に咲く「彼岸花」とは、全く違うのです。茎も葉っぱも青々とし花ビラも鮮やかな真っ赤なのです。
「私は こんなにも美しい郷里の秋を何十年間もの長い間 見てない!!」この現実にしみじみ悲くなった覚えがあります。

父を失った今年、みきえさんの「彼岸花」が心にしみます。なんともストレートに心地よく私の心にしみます。

コメンツのイケメンさんの「仏教」も心にストンと落ちました。父を5月に亡くし、49日や初盆などで何回も田舎に帰省している年だからか?
私が多少?精神的に成長したのか??わかりませんが・・コメンツのイケメンさんの「仏教」も、とってもいい。

ところで
みきえさん 9月になったら北海道に帰るのではなかったのですか?「今頃 みきえさんは北海道か~!!」と思ってましたよ!!
出水に永住??なんてことになってきているのかな??
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Unknown (島美人)
2015-09-24 16:01:28
さすがわが友これからもどんどん投稿して楽しませてくださいね.ヒガンバナについてもっと勉強しようかな?
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ふるさと (札幌美人)
2015-09-25 05:26:16
皆様、素晴らしいコメントありがとうございます。

雪かきが終わった頃から主人も出水に来てもらって暮らしました。

出水に夏が見え隠れしだした頃、主人と札幌に帰りました。

出水の秋が恋しくて、再び出水に参りました。

年齢を重ねると何故か故郷が恋しくなります。

毎年恒例の米ノ津グループ&大川内グループでの味噌作りが終わり、しばらくしたら北海道の仲間達に味噌を手土産にして帰ります。

子育ても終えて、札幌にも出水にも、そして全国にステキな仲間の皆さんが大勢いて、余暇が出来て、行ったり来たりの有難く幸せな人生です。

皆様、これからも宜しくお願い致します。
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そうでしたか・GOODな人生! (hitareri)
2015-09-25 12:30:01
札幌美人さんへ
「子育ても終えて、余暇が出来て、故郷と居留地を行ったり来たりの有難く幸せな人生」
GOODな人生に乾杯!!

私も父親の死から4ケ月・・
3月から半年間は、何回も田舎通いしてましたが・・
やっと?一段落ついて・・
明日から北陸・東北の湯めぐりに出かけます。
東北は岩手の雫石・鶯宿温泉が今回の最北地です・・
また、無事に帰ったら自分のブログで報告しますね・・

みきえさん・・
「札幌美人」のハンドルネームがナイスです。
これからは、これで行ってくださいネ
では、また・・
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おめでとうございます (同年美人)
2015-10-29 07:26:26
みきえちゃん良かったね。
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おめでとう (国分美人)
2015-10-30 05:38:04
みきえさんの入選の新聞、島美人さんが教えてくれました。
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