はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

春遠からじ

2006-03-10 13:20:42 | はがき随筆

 「立春」に雛人形を飾る。嫁いだ娘の初節句から、毎年欠かさず続けているわが家のささやかな年中行事の一つで、今年は33回を数える。
 色褪せた衣装、あちこちに傷みは見られるけれど、年輪をしのばせる素朴で、穏やかなお顔立ちには趣があり麗しい。庭先の白梅の小枝と菜の花を手折って、無造作に添えるだけで春の息吹と、ひとときの女性ならではの誇らしい気分に浸れる。
 今年は2人目の孫娘の初節句。健やかな成長を願って飾られるであろう。雛人形に思いを馳せる日々…。
   鹿屋市札元 神田橋弘子(66) 3月11日掲載


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2 コメント

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初めて知りました (アカショウビン)
2006-03-10 21:21:55
健やかな娘の成長と末永く幸せな人生を願う親の思いが、ひとつひとつに込められているんですね有難うございました。

駿さまが読んでくださってるのが、管理人の励みです感謝しまーす。お気づきの点は何でも教えてくださいませ。
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貝桶(かいおけ) (駿)
2006-03-10 18:07:59
♪胎内に座してをるなり雛(ひいな)の間  駿



今までなんだろうと貝桶を知りませんでした。昔のトランプ、貝い合わせの蛤を納めてあるんですね。夫婦仲がとわにむつまじくとの親の願いが込めてあるそうです。
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