シルクロードがあって当然なのだが、説明を聞くまで西の果てに居る不思議を理解できずにいた。今は畑や牧草地であるなだらかな起伏を裂くように延びる道を、かつてラクダの背を借り隊商が荷を運んだ。地平線を目指し1歩でも早くと思う気持ちが、これほどまで真っすぐな道を残したのだろう。
古都コンヤの外れに建つ隊商宿がシルクロードの終わりであり、始まりだそうだ。ペルシャ、エジプトからも要の地としてローマ帝国の繁栄を支えたと思う。今、羊の群れを追うぼう洋とした光景を見ていると、そこは悠久に浸るに十分であった。
志布志市 若宮庸成 2012/6/1 毎日新聞鹿児島版掲載
画像はトルコ・コンヤキャラバンサライ
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