はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ノイズ

2018-06-30 12:13:20 | はがき随筆
 ウォーン、ズォーン。直径1㍍ほどの仏具の銅鑼を、ゴム製で丸いバチの先端で円形にこする。ポロ、ポロロン。水琴窟を模した鉄製打楽器を、高速度で木製のバチでたたく。チーン、キーン、ポーン。チタン製の皿に金属、木、ゴム製の大小の球を落とす。緊張の間を取りながら、これらの音が非連続につながる。小さな会場に広がる音は、宇宙からの未到の低音と、地下空洞で共鳴する不規則な高音の様だ。サウンドアーティストM氏が即興で演奏した鹿児島市内でのライブ。拒否される音ではなく、形容詞を持ったノイズに包まれた1時間だった。
 鹿児島市 高橋誠 2018/6/24 毎日新聞鹿児島版掲載

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