「よおー久し振り」。大きな声だ。だが薄くなった髪、落ちた肩、前がかりに危なっかしい足取り、まさに八十余歳。かつて同じ釜の飯を食った同期生仲間だ。六十余年前の4月、希望に燃え、胸を張って正門をくぐった雄姿はない。
ただ、大きな声だけが当時の鍛錬の賜か、懐かしい、゚50名を超えた会員も参加者は10名。二十数名が既に亡くなったと聞く。
会食合間の会話はほとんどが持病紹介。厳しかった訓練の想い出話などはない。歳のせいかな、最後の同期生会はただ握手。声を詰まらせての固い固い握手での解散でした。
熊本市中央区 木村寿昭(86) 2019/10/10 毎日新聞鹿児島版掲載
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