はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

亡き恩師に捧ぐ

2006-04-15 10:39:04 | はがき随筆
 「よかったよ」。壇上から降りて座席に着いた夫に、小さな拍手と共に掛けたねぎらいの言葉だった。夫婦共にゆかりの深かった恩師の生誕百年を記念して、ご遺族と故人を慕った教師や教え子たちで寄せ合い、つづった「追悼記」出版を祝う集いが過日行われた。生前故人がこよなく愛された郷土の偉人、西郷隆盛の詩「書懐」を亡き師に捧げたいと夫、初挑戦の吟詠お披露目となった。習い始めて2年余り。吟ずる夫より私の方がはるかに緊張感が高かったのでは、と苦笑するも澄んだ伸びやかな声は、日課の早朝ウオーキングの相乗効果も?
   鹿屋市札元 神田橋弘子(68) 2006.4.15掲載


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