昨夏帰省の折、七十有余年前の終戦前後に住んでいた朝日町の家の存在を知りたくなり探訪してみた。界隈にあった映画館、旅館、銭湯、雑貨屋などは消え、今は居酒屋が立ち並び昔日の面影は全くない。が、住宅街も空き地が目立つ中、目的の家は朽ちてはいたが居宅のまま在ったのだ。戦争中は防空壕に逃げ、空中戦を見上げ、戦後は若い進駐軍にチューインガムをねだった懐かしい家。思い出は尽きない。優に築80年はたつだろうが、朽ちても落ちない姿に感慨を覚えた。我が齢と重ね合わせ「共に頑張ろう」とエールを送りながら帰路についた。
千葉市 脇田博 2017/3/12 毎日新聞鹿児島版掲載
千葉市 脇田博 2017/3/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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