猫のイークンから食事を催促されたので「ハイ、ハイ、ただいま」と大急ぎで用意に向かった。イークンの食事処の手前に置いてある座布団をまたいだつもりだったのでが、左足が座布団の隅に乗っていた。するっと滑り、バタッと倒れ込んだ。ちょうど頭の位置に木製の裁縫箱があり、その角に左目の上を思いっきりぶつけた。相当強く打ったのでかなりの痛さだ。
鏡に映してみた。目の周りが青く膨れ上がり、まるで怪談のお岩さんだ。イークンは平然と食事をしている。それを横目に見ながら、年はとりたくないものだと、つくづく思った。
西之表市 武田静瞭 2017/2/3 毎日新聞鹿児島版掲載
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