はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

早春の旅立ち

2012-01-27 21:35:13 | はがき随筆
 車を降りると、出水平野が目の前に広がり、マナヅル、ナベヅルなど万羽はいるだろう。餌を分け合って鴨が交じり、その賑やかな合唱に驚かされる。
 広い1枚の田んぼに水が張ってあり、そこにツルは片足を上げて立って寝るらしい。鶴は、時々いっせいに首を上げて同じ方向を見る。
 親鶴の間に鶴の子を入れ、共に走りながら地を蹴って飛び上がる練習を繰り返す。優しく強い親の愛情が思われる。
 遠くに悠然とした鶴の姿も見え、出水平野に早春の息吹が戻って来た。鶴の子よ、元気で戻っておいで。心より祈る。
  鹿屋市 小幡由美子 2012/1/23 毎日新聞鹿児島版掲載

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