咲き始めた梅の花に雪が舞い散り、肌を刺す寒風が吹きつける。見ている私が縮こまり、梅の花は、いかほどもないような泰然自若の体である。眺めるほどに梅の強さが際立ち、わが身もかくありなんと思う。夜をまちわびて、同年を集めて雪の梅見焼酎に酔う。
そして今朝は、梅の花に雨が降る。雪とは違った難儀もあろうに、訪問客のメジロを相手に愉快にやっている。雨の陣中見舞いだろうか。ウグイスもやって来た。鳥も昆虫も人までも引き寄せる。梅の花に魅了されてやまない。またも同年は集められ、雨の雪見焼酎に酔う。
出水市 道田道範 2011/2/24 毎日新聞鹿児島版掲載
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