はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

シロアリ

2013-07-15 12:35:19 | はがき随筆
 羽を落としたシロアリが畳の上をはっていた。悪夢がよみがえる。築二十数年、過去3度摂食された。海岸の松林を近くに控えている。埋め立て地であるとか、原因は云々された。
 目標、発見。灯火のさす方に、桃源郷あり。体育館と交差点の水銀灯の明かりを目指せ。羽アリは新しい営巣場所を求めて、一斉に飛び立つ。砂地の松林の母巣だけでは子孫が残せない。新コロニーをつくるのだ。
 退職金も前借りして修理したので、蓄えはない。いいかげん私の家を目標にするのは、やめてほしい。この季節、羽アリを見る度、びくびくしている。
  いちき串木野市 新川宣史  2013/7/14 毎日新聞鹿児島版掲載

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