はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

日暦

2011-12-21 22:22:11 | はがき随筆
暦には神がいる。起きて一番に暦をめくる。それが日課であった。祖父はじっくり眺めて、朝餉でゆっまり話して聞かせる。話には必ず神様が出てきた。どこの家庭も地味な、無愛想な分厚い日暦だった。どこも同じ話を聞かされたことだるう。そのためか地域にはまとまりがあった。
 月めくりが主流の最近のカレンダー。そろそろ家族は好みのカレンダーを持ち込むことだう。暦とは日にちが分かればよいだけではない。暦には話がある。来年は祖父の五十年忌。日暦を復活させ、孫に話でもしよう。信じないだろうな。
  姶良市 山下恰 2011/12/17 毎日新聞鹿児島版掲載

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