はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

水鳥の舞う漁港

2006-01-29 20:21:37 | はがき随筆
1月29日
 ギャーギャーギャー。おびただしい数のカモメが乱舞し、定置網漁から戻ってくる漁船を迎える。初競りの朝、魚市場に6日ぶりに活気が戻った。身を切るような寒さだが漁師の顔も晴れやかだ。ゴイサギやカラスなど数種類が船べりや水揚げ台の側まで来て、こぼれた小魚を奪い合ってついばむ。作業車の音にさっと逃げるが、またすぐ集まって来る。
 競りも機械化され、買いたい値段をカードで投票しパソコンで処理される。威勢の良い掛け声の代わりに、卸商とのケイタイ電話が響く。寒ブリの大漁を求めて夢は果てしない。
   鹿屋市札元 上村 泉(64)


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