はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

今年の桜

2009-05-16 20:29:48 | はがき随筆
 富士には月見草が似合うと言ったのは太宰治だが、その富士山に桜を見にゆく。
 鹿児島では既に葉桜。例年になく早い開花に機を逸してはと思いながらの富士五湖巡り。しかし、富士の裾野は季節が遅く、春の陽がやっと届いた様子。
 河口湖の桜が三分から五分、本栖、山中湖に至ってはつぼみが固く、見ごろはGW。今はまだ冬枯れの並木。それでも青い空と白銀の富士を背に、五分咲きの桜が湖面を彩る光景に息をのむ。春の風を胸いっぱいに吸い、雄大な富士を見上げるとらんまんの桜に見えてくる。やはり富士には桜が似合うと思う。  
  志布志市 若宮東成(69) 2009/5/9 毎日新聞鹿児島版掲載


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