タコ漁が中止になったと連絡が入った。風が強くて船が出せないとのこと、そういえば我が家の庭木も大きく揺れている。
釣りの仕掛けや着替えなど、鼻歌交じりで準備万端整えていた夫の落胆ぶりははた目にも気の毒なほど。かく申す私も、薄切りにした生タコのカルパッチョ、キュウリとタコの酢の物、それにタコのブツ。あれこれ考えを巡らしたタコ尽くしも先送りになってしまい残念至極。
でも、自然に抗うことはできない。船長の決断が頼もしくもある。夫は夜釣りに備えて我慢するはずだった晩酌を今日も心置きなく楽しむことができる。
熊本県菊陽町 有村貴代子(72) 2019/7/12 毎日新聞鹿児島版掲載
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