はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

春隣り

2006-02-26 16:06:41 | はがき随筆
2月26日
 寒い冬も終わりに近づいてきた。ふと目を移すと、チューリップの芽が出ている。柔らかな芽なのに土を破る力がどこにあるのだろうか……。
 わが家の庭も赤や黄の花が咲き、華やぐだろう。
 今、朝の散歩が楽しい。日の出が遅いので、高く昇ってから歩く。道端には緋寒桜の蕾がふくらみ、草も萌え出し、日差しも1日1日と濃くなっている。白梅も咲くと心にぽっと灯がともり、浮き浮きしてくる。
 過ぎ去った1年は早い。古稀を過ぎ、残り少ない人生。澄んだ冬の青空を眺めながら春を待ちたい。
   出水市上鯖渕 橋口礼子(71)


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