小3の息子と、久住山牧ノ戸登山口から急坂を登り一服していると、50年配の男性が、「よかったら同行させてもらえませんか」と話し掛けてかた。「どうぞ」と3人で山頂に向かった。
昼食も3人で弁当を囲んだ。男性は、ポケットから写真を取り出し、「家内です」と私に差し出した。そして「もう私は世の中で恐いものはありません。家内を失ったときを思いますと……」と言われた。
あれからもう随分年月がたったが、時折、男性の姿とあの言葉がよみがえってくる。あの方はどうされているのだろうか。
熊本市北区 岡田政雄(70)2018/6/10 毎日新聞鹿児島版掲載
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