帰宅するなり、息子は「天道虫を捕まえて」と言ってきた。同級生が学校で育てている苗に油虫がつき、困っていると言う。農薬ではなく、天敵を使うなんてなかなかやるね、と息子は十数匹を捕まえ、揚々と登校した。ところが、虫が逃げないよう持たせたネットの使い方がわからす、天道虫は皆、どこかへ飛んで行ってしまった。
「飛ばない並天道」を知ったのはその後だ。遺伝的に飛翔能力を欠き、害虫駆除に貢献するという。こどもの夢を具現化したような生き物ではあるが、もうしばらく息子には内緒にしておこうと思う。
鹿児島市 堀之内泉 2018/5/31 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます