はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

怖い話

2014-08-29 02:59:26 | はがき随筆
 怪談は小泉八雲の短編に限る。商人の屋敷で奇妙な現象が起こり、その原因を禅僧が解決する「葬られた秘密」を読むとつい幽霊の存在を信じたくなる。
 子供の頃、夏休みはよく叔父に怖い話をせがんだ。大きな屋敷で女性の幽霊を見た話。2階に寝たのに翌朝、1階で目覚めた不思議な家の話。夜はトイレが怖くて行けなくなった。
 昔、集落で肝試しがあり、悪童たちも神妙になった。墓場に丸い石が置いてあり、その石を持ち帰る。低学年の私は2人1組みだが、夜の墓場は怖かった。夏の夜は、八雲の怪談に身震いしながら暑さをしのいでいる。
  鹿児島市 田中健一郎 2014/8/17 毎日新聞鹿児島版掲載

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