はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ぢいさんばあさん

2022-07-25 20:38:23 | はがき随筆
 歌舞伎座4月公演のお目当ては、玉三郎丈と仁左衛門丈が12年振りに演じる芝居。
 森鴎外の短編を歌舞伎に仕立て、戦後東京と大阪で同時に初演、以後41回の上演となる。
 昨年12月、勘九郎と菊之助の共演で観た。若夫婦がひょんなことで別れ別れになり、37年後に再会する物語。庭の若い桜が大木になり、花をいっぱいつけた頃、老人になった2人が懐かしい屋敷で顔を合わせる。
 来し方を語り合い、運命に翻弄されながらも、恨みがましいことは言わず、じっと見つめ合う。夫婦の深い情愛が観る側に伝わり、むせび泣く人もいた。
 鹿児島市 本山るみ子(69) 2022.5.23 毎日新聞鹿児島版掲載

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