ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」を口ずさみたくなるような中学時代を僕らは過ごした。仲間は林田、松下、原と私の4人。舞台は静岡県西部を流れる大河天竜の河口。季節は夏。鉄橋下に集合した僕らは、初めての町へ初めての自転車の旅をした。そして夢を語った。好きな子の話をした。悩みを分かち合った。「青春」だった。夏休みに入ると、たった1人泳げない私は、彼らに特訓を受ける。毎日毎日、勉強そっちのけで川に入った。夕暮れに眺めた河口の夕日は美しかった。50年も前の川も僕らもきらきら輝いていた頃の話である。
霧島市 久野茂樹 2014/7/24 毎日新聞鹿児島版掲載
霧島市 久野茂樹 2014/7/24 毎日新聞鹿児島版掲載
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