所用の帰り、バス停に行った。盲導犬を連れた50代くらいの男性が立っていた。20分も待つがバスが来ないので、JR鹿児島中央駅に戻って別の路線で帰るという。「奥様が乗るバスが来るかもしれない」と遠慮されたが、道路向かいのバス停にお連れした。彼は静かに待っていた。盲導犬がいじらしい。15年前に失明したという。絶望のふちから現実を受容するまでの心中を思いやった。諦めて歩き出した私を2台のバスが通り過ぎた。川内原発再稼働反対の集会を後で知った。バスの遅れが、それかあらぬか。事情を知れば枯れも得心しただろう。
鹿児島市 内山陽子 2014/10/30 毎日新聞鹿児島版掲載
鹿児島市 内山陽子 2014/10/30 毎日新聞鹿児島版掲載
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