はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

2014-05-02 19:05:49 | はがき随筆
 10年前、仙厳園で初めて「曲水の宴」を観覧した。
薩摩隼人に象徴される武の国、薩摩にこんな雅な世界があったとは。
 亡夫の4代前内山伊右衛門綱次は「示現流の達人であり、薩摩琵琶の目いゅ。薩摩節の誉れ高く、その琵琶の弾奏は高尚優雅であったという。
幕末、薩摩藩密命で奥州仙台に入り殺害された」と史実にある。
 今、広い庭園の向こうで奈良の地から来た娘婿が雅楽の装束姿で龍笛を吹いている。
 雅を通じて先祖との因縁めいたものを感じた宴でもあった。
  鹿児島市 内山陽子 2014/5/1 毎日新聞鹿児島版掲載

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