はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

島発

2008-03-19 08:10:43 | はがき随筆
 春3月は卒業のシーズンである。私の故郷、薩摩川内市の甑島には高校がなく、子供たちは中学を卒業すると親元を離れなくてはならないのである。このことを地元では「島発(しまだち)」という。
 本土と違い、親と子が早い時期に別れを余儀なくされる。子どもたちは本土の寮や下宿に間借りすることになるが、親はそこの主にわが子のことを頼み、子どもに別れを告げるとすぐ島に戻っていく。甑島に生まれ育った宿命とは分かっていても、まだ15歳の少年少女は涙する。
 島発、それは厳しい現実であるが、頑張れ!! 甑の子よ。
   鹿児島市 川端清一郎(60) 2008/3/18 毎日新聞鹿児島版掲載
 

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