この世に生を受くるもの、その生を脅かさるるとその属を守らんと、おのずから繁殖に力を注ぐようになる。この事を「種の起源」の著者ダーウィンは気付いていただろうか。
近年春になると杉の花粉に悩まされているが、私の若いころにはかつてないことだった。
私はてっきり人間の免疫力の低下が原因だと思っていたが、近ごろ原因が杉の木の方にあるのではないかと考え始めた。
文明の発展に伴い杉材の利用がますます少なくなってきた。私はあの杉の花粉が、放置された杉たちの最期のあがきだという気がしてならない。
鹿児島市 高野幸祐 2012/4/16 毎日新聞鹿児島版掲載
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