はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

満月とシラス

2006-02-27 12:03:30 | はがき随筆
2月27日
 その夜は真冬なのになま暖かく、雲間から満月が顔をのぞかせて雨も上がった。きっとこんな晩にシラスが上げ潮に乗って一斉に川を上るだろうと予感がしたので、車に合羽と長靴と懐中電灯を積んで大潮の海に向かう。
 肝属川の川口はちょうど満潮。砂地の波打ち際で漁師さんが膝まで海水につかって大きな柄の網ですくう。ライトに照らされ、体長7~8㌢の半透明のウナギの稚魚が躍っている。私は夢中でカメラを回した。
 渚には点々と灯りの列ができ、黒い人影が波と戯れ、沖には船の漁り火がゆらゆら輝いていた。
   鹿屋市札元 上村 泉(64)


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2 コメント

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志布志の養鰻 (駿)
2006-02-28 05:18:06
 いとこの経営する養鰻工場をはじめて見学しました。シラスの尾の長い泳ぎ、底に頭を縦に黒くかたまる姿など。大自然相手の仕事は息の休まらない激務の日々と想像しました。100万匹近くが相手ですもの。
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生きてるウナギ (アカショウビン)
2006-02-28 10:04:35
駿さま

今日もブログにお越し頂きありがとうございます。

近くに養鰻場はいっぱいあるのに、ご縁はかば焼きだけ、生きたウナギはあまり見たことがありません。なぞの多いウナギの姿をじっくり見てみたいものです。    お腹がグーッと鳴りました。
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