はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

芋の草取り

2018-08-08 18:58:25 | はがき随筆
 終戦後、我が家に旧航空隊跡の畑が2反歩手に入った。両親は非常に苦労して開墾し、芋を作っていた。私たちもその草取りを暑い中行った。たくさんの草と長い畝で大変だった。
 当日はアイスキャンデーを自転車で鈴を鳴らしながら売っていた。遠くに鈴の音を聞くと欲しくて走って行って買った。そのおいしかったことは今でもはっきり覚えている。
 あの畑にはその後行かなくなったが、農地解放でなくなったのか親も教えてくれなかった。今その畑には家や小さな工場が建っている。親に聞いておけばよかったと悔やんでいる。
  鹿児島県出水市 畠中大喜(81)2018/8/7 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿